【病院看護師からの転職】行政の会計年度任用職員の仕事内容|メリット・デメリットについて解説

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  • 行政の会計年度任用職員に興味があるけど、仕事内容がわからない
  • 夜勤のない看護職への転職を考えている
  • ワークライフバランスのよい仕事をしたい

病院で看護師として働いていると、業務も多く、夜勤や超過勤務で不規則な生活になってしまいますよね。家族との時間や自分の身体のためにも転職したいと考えている方もいるのではないでしょうか?

私は、大学病院での看護師経験後、専業主婦を経て行政の保健師に転職しました。大学で保健師について学び、国家資格を取得していたとはいえ、どんな仕事内容かもわからず、一歩踏み出すまでに時間がかかりました。そんな私も現在では、主に母子保健を担当しながら日々働くことができています。


そこでこの記事では、転職を考えている方へ夜勤もなく、育児や家事との両立もしやすい会計年度任用職員ついてまとめて解説します。

この記事を読めば、「会計年度任用職員の仕事内容とメリット・デメリット」がわかり、転職の参考になります。

私が病院看護師から行政の保健師へ転職した経験を踏まえ、会計年度任用職員についてまとめました。病院やクリニックの看護師とは異なる仕事内容です。転職を考えている方は、ぜひ最後まで読んでください。

めぐのすけ

看護師と保健師、配属される部署によっても任される仕事内容も違うよ。
めぐのすけが思う、メリットデメリットをお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

目次

会計年度任用職員とは

会計年度任用職員は、地方公務員法に基づき1会計年度(4月1日から翌年の3月31日まで)を任期として任用される、非常勤の公務員のことです。

自治体によってことなりますが、基本的に3回まで更新されます。1度の採用で、3年は働くことができ、3年目にもう一度試験を受けることになります。そうすると、再度雇用されてもう3年働けるようになります。

会計年度任用職員制度は、令和2年4月1日から開始され、従来の嘱託員や臨時職員に代わって新設された制度。以前は自治体によってバラバラでしたが、全国的に統一されたルールとなりました。

めぐのすけ

産休や病休の方の代替えで、「更新なし」となっている場合もあるから、求人票を見るときには気を付けてね。

1週間当たりの勤務時間が正規職員と同じ38時間45分であるフルタイムと、これより短いパートタイムの者に分けられます。給与及び休暇等の勤務条件等については、他の地方公共団体等の非常勤職員と均衡が図られるように定めております

めぐのすけ

めぐのすけは、パートタイム雇用で働いているよ〜

看護師保健師の会計年度任用職員の仕事内容

病院看護師と、行政の保健師看護師の一番の違いはデスクワーク事務作業の多さ
県や市町村には様々な部署がありますが、看護師や保健師が配属される課は決まっています。それぞれ部署名は異なりますが、母子保健を担当する課、国保を担当する課、健診を担当する課などです。

行政では自分のデスク、パソコンがあり、基本そこに座っての業務。初めは任される仕事がなく、仕事ありますか?と尋ねたり、時間がすぎるのを待った日々もあったほど。
今では保健師として母子のケースワークを主にやっています。訪問や面談、窓口の業務がないときには、自席のパソコンで記録を書いたり、電話を取り継いだり、次のケース対応について考えたりします。予定が詰まっている時には、午前午後も外出することもありますが、基本的には自分自身でスケジュールを決めて動いています。
一例として、簡単に私のある一日を紹介します。

市町村保健師の一日はデスクワーク多め〜実際の一日を見てみよう〜

8:20      出勤
8:30〜      勤務開始、メールや供覧・決裁文書の確認
8:45頃〜 記録・・前日までの残りの記録をしていく
9:30〜11:30   母子訪問へ出発  
12:00〜13:00  休憩 (週1回程度、この時間の窓口や電話を担当)
13:00〜    ケースの方へ様子確認の電話、記録。 
15:00      電話での相談を受ける、上司へ報告、窓口対応、事務作業
16:45     退勤

成人・精神・母子保健を担当

看護師・保健師が配属される部署は大まかに決まっています。それぞれの部署では、成人・精神・母子保健を担当することになります。それぞれ異なる役割があるため、各分野での主な仕事内容を説明します。

1. 成人保健

成人保健は、成人(主に20歳以上)の健康維持・増進を目的とした活動です。

  • 健康診査(特定健康診査やがん検診など)の実施や、受診の勧奨をします。
  • 集団健診の予約を受け付け、受診券の再発行など、結果をもとに、生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症など)の保健指導を行います。

2. 母子保健

母子保健は、妊娠期から子どもを対象とした健康支援を行う分野です。

  • 母子手帳の交付時に、妊婦さんの精神面や今後のサポート状況、夫や祖父母のサポートなどの聞き取りを行う。
  • 母子手帳交付時の聞き取りに応じ、妊婦さんの支援が必要か判断。状況に応じて、母子保健コーディネーターや保健師が担当をする。
  • 電話や面談で状況確認。病院と情報共有しながら支援する。
  • 産後に自宅訪問をし、育児状況の確認。
  • 子どもの成長に応じて、発達や対応方法の相談。療育などにつなぐ。
  • 1歳6か月児健診、3歳6か月児健診の準備や問診   など

3. 精神保健

精神保健は、地域住民のメンタルヘルスを支援する活動です。

  • 精神的な問題を抱える住民や、その家族から、相談を受け、必要に応じて病院への受診勧奨や相談先を紹介。
  • 措置入院後の退院後支援として、電話や訪問など

病院から行政への転職した理由は、「私でもやれそう」と思ったから

私が行政へ転職した理由は、「私でもやれそう」と思ったから

大学病院を退職し、家事育児をする日々。育児は楽しいですが、それほど余裕のある家計ではなかったこともあり、どこか不安や焦りがありました。
そんな中見つけた、保健師の会計年度任用職員。今は週4日働いていますが、その時の勤務条件は週2.3回、短時間の勤務でした。それを見つけて、やってみたい!と思ったことがきっかけです。短時間勤務から始めて、現在は週4日、週29時間の勤務をしています。

メリット

夜勤がない

平日の日勤業務になるため、生活リズム一定で働くことが可能。看護師で5日勤と聞くと、疲労も強く、抵抗感が強いかもしれません。会計年度任用職員は基本的に、残業もないことやデスクワークが多いため、5連勤でも疲労感少なく働くことができます。予定も立てやすく、仕事とプライベート、家事や育児の両立もしやすいです。

残業がない(出来ない)

私の勤めている市町村では、会計年度任用職員は時間外勤務はしないように、と言われています。それは、時間外手当を出す予算がないから。ほとんど毎日終業時間になると、パソコンをシャットダウン・片付けて帰宅することが出来ています。

たまに記録が多く残っていたり、ケース対応をしたりする場合のみ残業する場合があります。その時も時間外手当が出るわけではありません。残業した場合は、その時間分を別日に早く帰るという方法をとっています。
例えば、月曜日30分残業して記録をしたとすると、火曜日に定時よりも30分早く帰宅します。
これは自治体や、配属先によって変わる可能性もあるので、事前に確認しておくとよいかもしれません。

自分でスケジュール調整ができる

私はケース対応(病院で言う受け持ち患者さん)を多くする部署にいます。自宅訪問や面談をする場合は、ケースの方と日程調整をして決めていきます。下記の休みが取りやすいにも繋がりますが、プライベートの予定なども避けて日程を決めることが可能です。

休みが取りやすい

私はパートタイム会計任用職員のため、週4日勤務で平日1日は必ず休みとなっています。

・希望の休み(有給)取りやすい
・夏季休暇がある

参観日など、事前にわかっている休みも希望して休みを取ることができます。子どもの急な体調不良でも、休みやすい環境です。そこで働いている方々によるのかも知れませんが、看護師よりも結婚されている方、子育て経験のある方が多い職場です。職場の理解もあり、休みの取りやすさは実感しています。

看護師は当日の勤務者数によって、大変さ忙しさも変わるため休みにくさが強いです。自分の仕事が決まっている行政では、1人休んだとしてもそれほど大きく他の方へ影響が出ることは少ないです。

有給の日数が少ないため(私は初年度10日)、お子さんが小さい方など有給がなくならないよう注意してください。
私は子どもの体調不良で有給を使っていたところ、有給がなくなってしまい参観日の休みを取れないといったことがありました。無給扱いの看護休暇などを取り入れて、休みを調整していっています。

転職しやすい

会計年度任用職員は基本1年の契約。
更新するかどうかの判断は、以下の3つがあります。

・本人の希望
・上司の評価
・予算の都合

1年だけ働き、次年度へ更新しないという判断もできます。また、3年毎に採用試験を受ける必要があるため、3年で終了することも可能です。
不安定な雇用になりますが、転勤族の方、長く働く予定のない方なそ次の就職までのつなぎとして働くことが可能です。

副業・ダブルワークが認められている

公務員の副業は法律で認められていません。フルタイムの会計年度任用職員も同じく、認められていませんが、パートタイム会計年度任用職員は副業が認められています。自治体によっては事前に申請が必要な場合もあるかもしれませんが、自由度の大きさはメリットの一つだと感じています。

勤務日でない日にクリニックで働いたり、在宅ワークをしたりと副業収入を得ることが可能です。

デメリット

雇用が不安定

1年毎の任期で更新が必要であることは、転職のしやすさとしてメリットとしてもあげました。
長期的な雇用の保障がないことは、不安

給与が安い

看護師と比べると残業もないこともあり、給与は安めです。今回、色々な自治体を見てみましたが全て10万円代。  ちなみに私の手取り月収は13万円。大学病院時代と比べると1/3程度にはなりました。独身、一人暮らしで会計年度任用職員のみ

昇給がない

給与は〇〇万円〜〇〇万円、と記載されていることが多いです。私の働いている自治体では、現在のところ上限値からの昇給はありません。3年目に上限値に達したとしても、もう一度採用試験を受けるため、給与ベースは変わらないままです。

2024年度から勤勉手当支給が開始されたたため、ボーナスはアップしました。

退職手当がない

フルタイム会計年度任用職員として採用される場合は6ヶ月以上の勤務で、退職手当の支給となります。
パートタイム任用職員では、退職手当支給の該当とはなりません。

事務作業が多い

  • 郵便物を出す、回収
  • 会議資料などの準備(印刷、ホチキス止めなど)
  • パソコン入力
  • 物品などの補充、不足分の確認

など、細かい事務作業は多いです。看護師として働いていたときには全く関与していなかった部分にも、業務としてすることが多いです。

まとめ

会計年度任用職員の仕事内容とメリット・デメリットについて紹介させていただきました。

会計年度任用職員として働く場合、雇用の不安さや給与面でデメリットはありますが、家事育児との両立のしやすさなど働きやすさの部分ではメリットもあります。

私自身、看護師時代と比べると、心身への負担、疲労感は格段に小さいと感じています。子どもが小さい頃は休みも取りやすい環境で働きやすいと思う一方、若い頃から長期的に働くところではないのかな〜とは感じています。3年目の任期までは働く予定ですが、その後はまだ未定です。

メリットとデメリットを比較して、ご自身の価値観、将来を見据えて、転職先として1つの候補として検討していただけるといいです。

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